訪問後のお礼メールの書き方や例文付きで紹介!取引先・打ち合わせなど場面別の書き方

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我々は歳を経るにつれ、訪問という行為を多く経験することになります。取引先への挨拶や商談などはその最たるものですが、訪れるという行為だけで満足し、肝心な訪問後のお礼メールを疎かにしてしまいがちです。そこで訪問後に使えるお礼メールの書き方や例文をご案内します。

目次

訪問後のお礼メールの書き方は?

一口に訪問といっても、その目的はさまざまです。
たとえば取引先であれば営業を兼ねた挨拶訪問や、商談を見込んだ訪問、打ち合わせのために伺う訪問などは代表的です。

またこれから社会人になる方であれば、狙っている企業に勤めるOBに相談するOB訪問や、面接や面談を受けるための訪問もあるはずです。さらに変わったところでいうと、国交の目的で行う表敬訪問や大学教授の研究室訪問などもこれに含まれます。

このように訪問は、訪問する側の目的によってその内容が大きく異なることがわかります。したがって訪問後に伝えるべきお礼メールの内容は、一律で同じ内容にすべきではありません。

お礼メールの内容は使い分けるべき

それではなぜ同じ内容のお礼メールではまずいのかを考えます。

たとえば訪問のお礼メール用にテンプレートを作っていた場合、同じ企業に伺う都度、同じ内容のメールを送っていたら相手の機嫌を損ねることは間違いありません。単なる来客が相手の機嫌を損ねるような行為はマナー違反ですので、このようなことは避けるべきです。

お礼メールとして相手の記憶に残るには、その内容を、その日に交わした会話、約束、共有した話題などに即して伝えることが肝要です。これによって相手の頭の中で来客と話した時の様子が思い出され、お礼メールの効果も相まって前向きな印象を作るからです。

お礼メールの不実行は機会損失

そうはいっても面倒くさくなって敬遠してしまうことは誰にでも起こりえます。そのようなときには、その面倒くさいと感じる感情が「機会損失」を生んでいると考えるのです。

そもそも何らかの目的をもって相手方へ訪問しお話をしているにもかかわらず、そのままお礼メールすらしないで相手の反応を待つようでは、いつまで経っても来客扱いで成功できるものも成功できません。

訪問の目的が達成される確率を上げるためには、訪問前のアポメールだけではなく、訪問後のお礼メールで「本日はありがとうございました」という明確な謝意を伝えるべきなのです。

訪問後のお礼メール例文【営業編】

営業の方であれば、来客としての自分を新たな取引先候補として印象付けることの大切さは十二分に理解されているはずですが、たとえば取引先との初めての打ち合わせで、軽い関係であっても自分や自社のことを思い出してもらえるよう工夫することをお勧めします。

初めての会社へ訪問する営業にとって最も大切なのは、いかにその会社で会った方へ良い印象を持たせるかです。こちらは数ある会社の1つでも、相手にとっては一人の来客です。時間を費やし会ってくれるのですから、来客側はその点に留意して書くことが重要です。

そこで来客が取引先候補へ昇華するため、訪問後に行うテクニックとしてもっとも手軽で効果的な手段である訪問後のお礼メールについて、どのようにそのお礼の気持ちを伝えるか、まず基本的な考え方をご案内します。

そもそもその会社へ初めて訪問しお会いするタイプの営業では、急な来客のために邪険にされることも少なくありませんが、訪問を希望して来客に会ってくださるということは、多少なりとも期待を持たれている証左でもあります。

そのためとりとめのない話を入り口に、お客様のビジネスにおけるさまざまな課題をくみ上げて、それらをお礼メールのエピソードとして端的にでも記載できるようにしておくことをお勧めします。

それでは実際に複数のお礼メールを見ていきます。

営業訪問後のお礼メール例文【対象別】

まずは訪問先企業の相手がどのような方であっても適用できる基本の形です。
一来客として記憶にも残らない存在とならないよう、最低限のたしなみとして送るようにします。
 

件名:
【自社名の~です】ご面談のお礼

内容:
株式会社・・
・・ ・・様

本日(昨日)~のご提案をさせていただきました、
自社名の~です。

このたびはご多忙のなか、
貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

・・様のお人柄に触れるにつけ、
時間の経過を忘れお話に耳を傾けておりました次第です。

・・様にお会いできましたご縁を大切にし、
より一層精進をしてまいりたく存じます。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

相手が複数名だった場合

続いて訪問した企業の方が複数名だった場合です。
原則として来客として伺い初めてお会いした方とは名刺を交換するのがビジネスの習慣となっています。

そのため名刺を交換した方全員へ訪問後メールを差し上げることになりますが、その際には役職名などを確認し、職位の高い順にアドレスを加えていくことは、相手の方へ余計な思いを抱かせないことにつながりますので、マナーとしてこれを心がけます。
 

件名:
【自社名の~です】ご面談のお礼

内容:
株式会社・・
・・ ・・様
・・ ・・様

本日(昨日)~のご提案をさせていただきました、
自社名の~です。

お忙しいところ、
お二方(皆さま)の貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

その際ご提案を差し上げました弊社の商品(サービス)に関しまして、
ご不明点や疑問点などがございましたら、お気軽にご相談くださいますと幸いです。

(先方の企業名:株式会社を除く)の皆さまにお会いできましたご縁を大切にし、
より一層精進をしてまいりたく存じます。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

営業訪問後のお礼メール例文【場面別】

次に、訪問した企業の方から宿題をいただいた時のことを考えます。相手の企業の方もわざわざ来客のために時間を使うのですから、相応の結果(企業のためになる情報)を求めています。

とはいえ面談の中では即答できない質問もありますので、これを宿題として持ち帰り、訪問後メールのなかへ織り込んで回答するのがビジネスマナーとしてスマートなやり取りとなります。その際には、なるべく率直で簡潔な回答を差し上げ印象を高めることも肝要です。
 

件名:
【自社名の~です】ご面談のお礼

内容:
株式会社・・
・・ ・・様

本日(昨日)~のご提案をさせていただきました、
自社名の~です。

このたびはご多忙のなか、
面談の機会を頂戴しまして誠にありがとうございました。

その際にいただきました宿題につきまして、下記の通りご回答申し上げます。

(宿題に対する回答)

これからも、お仕事にお役立ていただける情報などがありましたら、
ご提供にあがりたく存じます。

・・様のお力になれることがございましたら、
ご遠慮なくいつでもご連絡くださますと幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

回答に時間がかかりそうな場合

もう一つ、よくある例として価格について相談をいただいた例で考えます。

価格については訪問営業という短い時間で勝負する方にとって、ある程度裁量があるといいのですが、持ち帰り社内検討という場合もあるでしょう。その場合たいてい数日の時間を要しますので、そのような場面でビジネスマナーへ抵触しない例文を取り上げます。
 

件名:
【自社名の~です】ご面談のお礼

内容:
株式会社・・
・・ ・・様

本日(昨日)~のご提案をさせていただきました、
自社名の~です。

このたびはご多忙のなか、
面談の機会を頂戴しまして誠にありがとうございました。

また弊社からの提案を前向きにご検討いただけましたことに感謝いたします。

なおご相談いただきました価格につきましては、
より合理的な価格でご提供できますよう社内で検討させていただきたく、
いま少し弊社へお時間を頂戴できますと幸いです。

メールにて大変恐縮ながら、取り急ぎお知らせ申し上げます。
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

訪問後のお礼メール例文【取引先編】

今度はすでに商いの実績がある取引先に対する訪問後お礼メールについてです。

取引先なので、先方も単なるスポットの来客ではなく、付き合いのある取引先という認識で接してくれます。そのため、こちらも変に距離感を持たせたり、必要以上にへりくだった内容のメールにしないことが、ビジネスマナーとしては大切です。

また取引の内容はさまざまであることが想定されますので、相手方企業と自社の事業に鑑み、柔軟に文言を考えることも重要です。

取引先訪問後のお礼メール例文【対象別】

それでは普段から窓口として接している方に対してお送りするお礼メールを見てみます。なお件名の【】は、すでに双方が顔見知りであることを前提に後ろへ持ってきます。また挨拶の段へ記す相手の方の名前はフルネームではなく、姓だけを用いるようにします。
 

件名:
ご面談のお礼【自社名 ・・】

内容:
株式会社・・
・・様

いつもお世話になっております、自社名の□□です。
本日はお時間をいただきまして誠にありがとうございました。

また、貴社の現状や今後の展望についてお話しいただき、
心より感謝申し上げます。

弊社一同、貴社のお役に立てるよう尽力してまいりますので、
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

担当者が変更になった場合

次にもう一つ、取引先で引き継ぎがあったため、打ち合わせで初めてお会いする担当者がいた場合の訪問後メールです。たいていの場合には前任者の方が同席していますので、打ち合わせに参加された方全員へお礼メールをお送りするのが妥当と考えられます。
 

ご面談のお礼【自社名 ・・】

内容:
株式会社・・
・・様
・・様

いつもお世話になっております、自社名の□□です。
本日はお時間をいただきまして誠にありがとうございました。

打ち合わせの場でもお話をいたしましたが、
・・様にはこれまで大変お世話になりました。
新たな業務でのご活躍をお祈り申し上げます。

また・・様におかれましても、
あらためましてよろしくお願いを申し上げます。

微力ではございますが、
・・様のお力になれるよう努めてまいりますので、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

以上、メールにて恐れ入りますが、御挨拶申し上げます。

取引先訪問後のお礼メール例文【場面別】

続いて打ち合わせの中で、あらたな商談が生まれそうな場面を想定します。たとえばお客様の会社でニーズが発生し、その調査に入っている段階です。
 

件名:
ご報告いたします【自社名 ・・】

内容:
株式会社・・
・・様

いつもお世話になっております、自社名の□□です。
本日はお時間をいただきまして誠にありがとうございました。

その際にご依頼いただきました事項につき、以下へ進捗をご報告いたします。

 ①サンプル品について:本日貴社宛てで発送いたします。
 ②お見積りについて:添付しましたファイルをご覧くださいませ。

ご検討を進めていただけるようでしたら、
別途仔細につきお打ち合わせさせていただきたく存じます。

弊社一同、貴社のお役に立てるよう尽力してまいりますので、
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

取引が不調に終わった場合

次に商談がうまくいかなかった場合のメールです。取引先とはいえ必ず取引が成功するわけではありませんので、そのような場合にお送りする文面です。
 

件名:
訪問のお礼【自社名 ・・】

内容:
株式会社・・
・・様

いつもお世話になっております、自社名の□□です。
本日はお時間をいただきまして誠にありがとうございました。

さて、ご面談の際に今回はご導入を見送られる旨、お伺いいたしました。
せっかくのお時間をいただいておきながら、
魅力的な提案ができず大変申し訳ありませんでした。

併せていただきましたご助言を活かしながら、
より一層サービスの向上に努めてまいりますので、
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

略儀ではございますが、まずはお礼かたがたご挨拶申し上げます。

訪問後のお礼メール例文【打ち合わせ編】

今度は打ち合わせ後のお礼メールです。打ち合わせといっても様々なケースが考えられますが、すでに進行しているプロジェクトなどの取り組みにおける要件を詰めるような状況が想定されます。

そのため営業や取引先との打ち合わせと比較して、一層親密な時間を一緒に過ごすことになりますので、思い余ってビジネスマナーを逸してしまうことのない文面を心がけることが大切です。

ビジネスの場では、ビジネスとして振る舞う姿勢がマナーであるとともに義務であると捉えて書くことが重要となります。

打ち合わせでの訪問後のお礼メール例文【対象別】

ここでは訪問した企業の打ち合わせ参加者が大人数の時を考えます。一般に大きなプロジェクトのキックオフミーティングなどでは関係者が一堂に集まって挨拶を行いますので、その場合に全員へ訪問後のお礼メールを送るのがかえって不自然となります。

そこでそのようなときには、そのプロジェクトの窓口となる方へ謝意を伝え、相手先企業のプロジェクトに対する熱意を伝えていくことが肝要です。
 

件名:
本日のお礼【自社名 ・・】

内容:
株式会社・・
・・様

いつもお世話になっております、自社名の・・です。
本日のお打合せでは各種お取り計らいくださいましてありがとうございました。

・・様のお心遣いから、
皆さまとのご挨拶も無事済ませることができました。

本件、いよいよ開始となりまして、
弊社一同気の引き締まる思いでございます。

引き続き鋭意取り組んでまいりますので、
お力添えを賜りますようお願い申し上げます。

別の企業の方も同席した場合

次に打ち合わせの場で、お客様のほかに他の企業の方とも話をしたときを考えます。

通常の打ち合わせは、相手先企業と自社が1:1で打ち合わせをしますが、その打ち合わせの内容によっては、1:2や1:3など、複数の企業の方とお会いすることもあります。

そのようなときには、お会いした企業ごとに簡単なご挨拶を取り交わしておくと、そのあとの打ち合わせにおける円滑な進行が見込めるようになります。
 

件名:
本日のお礼【自社名 ・・】

内容:
株式会社・・
・・様

お世話になっております、自社名の□□です。
本日のお打合せではご挨拶をいただきましてありがとうございました。

このような機会で、
貴社と一緒にお仕事をすることができますことを大変光栄に存じます。

これから先の打ち合わせの中で、
貴社へご相談させていただくことなどもあるかと存じますので、
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

略儀ながら、メールにて御礼申し上げます。

打ち合わせでの訪問後のお礼メール例文【場面別】

ここでは打ち合わせの中で決定した事項を再確認し、相手方企業と認識の齟齬が発生しないようにする目的で行う場面を想定します。

打ち合わせの中で決定した事項が、その後の打ち合わせの中で忘れられてしまっていることはよくあることですので、そのような状況を招かないよう、参加者の方へ共有を図ります。
 

件名:
本日のお礼と確認【自社名 ・・】

内容:
株式会社・・
各位

いつもお世話になっております、自社名の・・です。
本日の打ち合わせでは、各種ご便宜を賜りましてありがとうございました。

以下へ、次回までの弊社の宿題を記載いたします。

(宿題事項の列記)

以上、認識に誤りなどがございましたらご指摘くださいますと幸いです。
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

打ち合わせ内容の修正をしたい場合

もう一つ、今度は打ち合わせの中で発言した内容を修正する場面を想定します。
誤りのあった点をお詫びするだけでなく、どの部分に対する修正なのかを明確にし、次の打ち合わせに差し支えのないよう努めた内容にすることが大切です。
 

件名:
修正のお詫び【自社名 ・・】

内容:
株式会社・・
各位

いつもお世話になっております、自社名の・・です。
本日の打ち合わせでは、各種ご便宜を賜りましてありがとうございました。

その際弊社からご提示しました以下の内容に誤りがございましたため、
修正後の内容をお知らせいたします。

 誤:(間違って伝わった内容)
 正:(本来の内容)

皆さまには謝った内容でお伝えしましたことにつきお詫び申し上げます。

またこの修正にかかわるご質問などがございましたら、
皆さまと共有する目的で、全員へご返信いただけますと幸いです。

以上、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

訪問後のお礼メールのマナー

ここまでビジネスにおけるさまざまなお礼メールの例文を眺めてきました。
いずれの例文にも共通するのは、営業であれ取引先であれ打ち合わせであれ、こちらの丁寧な姿勢と感謝の気持ちが織り込まれていることです。

ビジネスという人によっては冷たいイメージを持たれる世界でも、大切なのはマナーです。マナーを逸すれば仕事を逸します。マナーはビジネスにおいてコミュニケーションの土台です。我々はその土台に立って営業し、取引し、打ち合わせしています。

どのような会社に勤めている人であっても、まずはマナーが悪いと思われれば門前払いとなりますので、ビジネスを円滑に進めていくためにも、訪問後のお礼メールのように、誰でもできる取り組みは確実にこなしておくようにしたいものです。

どうしても文言が浮いてこないときの考え方

最後に、どうしても文言が浮いてこないという方へ向けて、まとめを兼ね、自分の丁寧な姿勢と謝意が伝わるポイントを以下へご案内します。

①お礼メールのゴールデンタイムは訪問当日から翌日までとする。
②メールソフトの連絡帳へ「株式会社・・ ~様」と登録してから送信する。
③件名は「【自社名の~です】ご面談のお礼」のように思い出してもらえる端緒を設ける。
④本文は挨拶+面談の謝意+誠実さの主張を組み合わせて構成する。

ポイント

①:訪問先の会社でお会いした方が、初めて会った来客のことを覚えているうちに記憶を呼び覚ますために有効です。お客様へ初めてインプットされた情報を定着させるために、お礼メールを送るタイミングはなるべく早くが原則です。

②:訪問した会社で交換した名刺のメールアドレスは、アドレス帳へ名前とともに登録してから使います。お礼メールの体で新しい受注を企図しているのですから、面倒くさがりと思われたら失注も同然です。

③:昨今マルウェアや迷惑メールなどの影響で、読まれないメールが存在します。とくに初対面の方へ送るメールでは、ビジネスマナーとして「私ですよ」と伝わるよう件名に名前を添えます。

④:この構成を頭へ入れておくことで、話があちこちに飛んでしまったり、冗長で意味の伝わらないお礼メールになりづらくなります。

お礼メールは実践のなかで洗練させる

ご案内は以上です。

とはいうものの、ここに挙げた文例はあくまで一例です。
100名が訪問をすれば100通りのお礼メールが生まれるのが当然ですので、まずはここで挙げた例文を基本的な骨格にし、必要な文言を加えるなどして調整をしてください。

その繰り返しの中で、皆さん独自の文章を作ることが出来るようになってきますので、ぜひ諦めずに繰り返し文章を作成し、そのスキルを洗練させていくことが大切です。

皆さんのビジネスがより円滑で有効に展開されるようになりますと幸いです。

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