会社を辞めるための手続き4ステップを紹介!会社内外でやっておくべきこととは?

  • URLをコピーしました!

会社を辞めるときに必要になる手続きは、いざ会社を辞めるときまであまり意識することがありません。いざというときに、慌てないためにも、会社を辞めるときに必要な手続きや書類について考えてみましょう。本記事では、必要な手続きや書類についてご紹介します。

目次

会社を辞める手続き4ステップ

会社を辞める際には、どこの会社でも必ず踏むべきステップが4つあります。手続きの詳細については、各企業・会社によって異なる部分もありますが、基本の4過程は基本的に一緒です。

手続きは、いずれも迅速に行うほど、次のステップへ進みやすくなります。会社を辞めることが決まっているのなら、できることは早めに着手し、次のステップへ進んでいきましょう。

会社を辞める手続きステップ1:会社での手続き

会社で行うべき手続きには、退職交渉や退職願の提出、退職時の備品返却などがあります。また、会社側からも退職後に必要となる書類を発行してもらわなければなりません。

退職交渉は自己都合退職の場合に必要になります。自己都合退社の場合は、退職したい日か1カ月以上前に申し出るのが一般的です。

退職願は、自己都合退社の場合は必ず提出しますが、会社都合の退職や契約期間終了に伴う退職の場合は、不要です。

会社を辞める手続きステップ2:失業手当の手続き

会社を辞めた後の再就職先が決まっていない人は、自分の住所地を管轄するハローワークで失業保険の手続きを行います。このとき、退職した会社から渡される「離職票」が必要になります。

退職した会社によっては、なかなか離職票を発行してくれないところもあります。こうした場合、会社の担当者に離職票交付を催促するのと並行し、ハローワークにも相談してみましょう。失業手当の手続きが遅れれば、給付も遅れてしまいます。

会社を辞める手続きステップ3:健康保険の手続き

会社を辞めると、会社で加入していた健康保険から抜けることになります。転職先が決まっている場合は、転職先の会社の健康保険に加入する手続きが必要になります。

転職先が決まっていない場合は、辞めた会社の健康保険に継続して加入することもできますが、手続きが必要になります。一般的には、国民健康保険に加入することになります。国民健康保険に加入する場合は、住所地の市役所で14日以内に手続きをする必要があります。

会社を辞める手続きステップ4:年金の手続き

会社を辞めると、年金の手続きも必要になります。転職先が決まっている場合は、転職先の指示に従って、年金手帳を提示するなどして手続きを行います。

転職先が決まっていない場合は、国民年金の支払い手続きをする必要があります。失業中は、国民年金の支払いが免除されたり、軽減されたりする制度があります。失業保険の手続きの際に、国民年金の支払い軽減についての説明もあるので、指示に従って手続きをしましょう。

会社を辞める前にしておくこと

「立つ鳥水を濁さず」といわれているように、会社を辞める際は、やるべき手続きはきちんとやりきって、気持ちよく退職しましょう。

会社を辞める前にやるべきことは、会社を辞める理由によっても異なります。自分の退職形態に応じて、適切な手続きを完了させましょう。ここでは、会社を辞める前にしておくべき手続きを、退職形態ごとにご紹介します。

自己都合の退職の場合

自己都合で会社を辞める場合は、退職希望日から逆算して、いろいろな手続きを行わなければなりません。

会社を辞める場合、今日申し出て明日退職できるというものではありません。一般的には、希望退職日の1カ月前には申し出る必要があります。

上司や会社と会社を辞めることについて話し合い、希望退職日の2週間前あたりに正式に決定します。自己都合退職の際に必要な、「退職交渉」と「退職願の届け出」についてみてみましょう。

退職交渉

よく聞く「円満退職」とは、退職交渉を経て、会社側と退職合意をしたうえで会社を辞めることです。

民法上は、退職の意思表示は希望退職日の2週間前に行う必要があると定められていますが、多くの会社では就業規則で退職の1カ月前以上に申し出る必要があると定められています。

就業規則よりも民法の方が優先されるので、2週間前の意思表示でも会社を辞めることはできますが、会社とのあいだでしこりが残ります。

退職願の提出

自己都合退職の場合は、退職願、または退職届を出すことになります。「退職届」は、一方的に退職を会社に対して宣告する意味だと受け止められるので、自己都合退職の場合には、「退職願」を出すのが一般的です。

ドラマの中などで、フリーフォーマットの文書として退職願を書いて、持ち歩いている姿が描かれることがありますが、実際には、会社側からフォーマットを提示されることもあります。

会社の都合や契約期間満了の場合

会社都合や契約期間満了により会社を辞める場合、一般的には退職届や退職願は不要だとされています。いずれも、自ら願って会社を辞めるわけではなく、会社としても退職をもとから承知しているので、あらためて届け出る必要はないためです。

しかし、会社都合や契約期間満了で会社を辞める場合であっても、退職届や退職願の提出を求められることもあります。

条件や理由の確認

会社都合なのに退職願や退職届の提出を求められたら、退職理由を明記しましょう。退職理由をあいまいにすると、失業保険が会社都合退職によるものでなく、自己都合の扱いとなってしまう場合があります。

契約期間満了の場合も、契約更新を望んでいた場合は、退職届に「契約更新を希望していたが、契約期間満了したため退職します」などと、退職理由を明記して証拠を残しておかないと、自己都合退職として扱われる可能性があります。

会社を辞めた後にすること(転職先決定済)

会社を辞めたあとでしなければならない手続きは、転職先が決まっている場合と決まっていない場合では異なります。

ここでは、転職先が決まっている場合の手続きについてご紹介します。転職先に対して行う手続きになるので、多くの場合は転職先への初出社の際に手続きを行うことになります。

必要なものを転職先に提出する

会社を辞めたあとに必要となる手続きは、基本的にそれまで会社が行ってくれていた事務の引継ぎに関する手続きになります。

具体的には、健康保険や年金・税金などの加入・支払いに関する手続きになります。転職先が決まっている場合、今後は転職先の会社で処理してもらえるので、関係書類を転職先の会社に提出することになります。転職先への提出が必要となる書類をご紹介します。

雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、会社に預けていた場合は、会社を辞める際に交付されます。新卒から働いていた会社を初めて辞めるという場合は、ほとんどの場合、辞める会社から交付されることになります。

交付された雇用保険被保険者証を、そのまま転職先に提出すれば問題ありません。雇用保険被保険者証に関しては、転職先の会社に対し、番号のみを伝えるという方式でも手続きは可能です。

マイナンバー(個人番号)

マイナンバーは、社会保険、雇用保険の手続きで必要になります。社会保険手続きとして、マイナンバーを伝えた場合、基礎年金番号の提出は不要になります。

マイナンバーに関しては、カードを提示する場合もあれば、個人番号を伝えるだけで足りる場合もあります。

源泉徴収票

源泉徴収票は税金の計算時に必要になります。前の会社を辞めるまでに支給された給料と、新しい会社で支給される給料を合わせ、所得税や住民税の金額を算出してもらうためです。

源泉徴収票は、会社を辞める際に前の会社から交付されるか、後日郵送などで交付されます。源泉徴収票が手元に届いたら、速やかに転職先へ提出しましょう。

健康保険被扶養者異動届

健康保険被扶養者異動届は、会社を辞めた人すべてに必要な手続きではありません。扶養家族がいて、転職先でも健康保険の被扶養者にしたいときに提出します。

転職後、転職先の所定の書類に扶養家族がいるか、否かを回答する形で届け出ることになります。自ら能動的に届け出を行わなくても、転職先の入職手続きのひとつに含まれているはずです。

会社を辞めた後にすること(転職先未決定)

会社を辞めたあとでしなければならない手続きは、転職先が決まっている場合と決まっていない場合では異なります。

ここでは、転職先が決まっていない場合の手続きについてご紹介します。転職先が決まっている場合の手続きは、転職先からの指示に従って受け身の姿勢でも進んでいきますが、転職先が決まっていない場合は、自らすべて能動的に行う必要があります。

失業保険の手続き

会社を辞めたあとの転職先が決まっていない場合は、できる限り早く失業保険の手続きをしましょう。

自分の住所地を管轄しているハローワークに赴いて、失業保険の手続きを行います。失業保険の手続きには、離職票を持参する必要がありますが、離職票がなかなか交付されない場合もあります。

会社を辞めるときに、離職票がいつ頃交付されるかも、確認しておくとよいでしょう。

健康保険の手続き

会社を辞めた後、すぐに誰かの扶養に入るのでなければ、健康保険の加入手続きが必要になります。失業手当を受給するためには、自らの名義で健康保険に加入していることが必要です。

国民健康保険に加入する場合は、自分の住所地の各市区町村役所で離職から14日以内に加入手続きを行います。健康保険証は即日発行されます。

健康保険の任意継続被保険者になる場合は、それまで加入していた健康保険に20日以内に申請が必要です。

国民年金加入の手続き

国民年金は、全国民が加入しているので、会社を辞めるにあたっても、原則として手続きなしで、国民年金の第1号被保険者への切替手続きが行われます。

失業保険受給中は、国民年金保険料の免除がされる場合があります。国民年金保険料の免除申請を行う際は住所地の各市区町村役所か、年金事務所で手続きを行います。

配偶者の被扶養配偶者として第3号被保険者になるなら、配偶者の会社で手続きをしなければなりません。

退職時に会社に返却するもの5つ

会社を辞める際には、会社から貸与されていた備品などは返却する必要があります。会社を辞めるときに返却すべきものは、入職時にその旨の説明を受けて貸与されているはずです。

会社を辞める際に返却すべきものを失くしてしまった場合は、所定の金額を支払ったり、始末書を書いたりすることになります。

当面会社を辞める気はないという人も、将来的に定年退職をする際にも返却は必要になるので、心しておきましょう。

退職時に会社に返却するもの1:健康保険被保険者証

健康保険被保険者証は、会社の健康保険から抜けることになるので返却が必要です。退職日までは、会社の健康保険に加入していることになるので、通常は最終出社の際に返却します。

有給休暇の消化で、退職日に出勤しないという形態が認められている場合は、直接返却できないことになるので、あらかじめ、退職日以降に郵送で返却する旨を伝えておきましょう。

扶養家族がいる場合は、扶養家族分の保険証も一緒に返却します。

退職時に会社に返却するもの2:名刺

会社から支給された自分の名刺は原則として会社を辞める際には返却するという扱いになります。会社によっては、返却対象のリストに入っていない場合もあるので、その場合は、シュレッダー処理しておきましょう。

また、自分の名刺だけでなく、辞める会社での業務を通じて得た名刺も、会社の営業情報という扱いになるので、原則として返却します。多くの場合は、引継ぎの中で後任者に名刺を引き継ぐという形をとります。

退職時に会社に返却するもの3:制服や鍵

制服は多くの場合、支給品ではなく貸与品です。制服を貸与されていた場合は、会社を辞める際に返却する必要があります。多少破損していても、補償を求められることはまずありませんが、紛失した返却せず紛失した際は補償を求められることもあります。

鍵の紛失は始末書や補償が必要になります。退職日に申し出るのではなく、紛失してしまっているなら早めに申し出ておきましょう。

退職時に会社に返却するもの4:IDカード

IDカードはセキュリティ情報も入っており、会社を辞める際には必ず返すべきものです。紛失した場合は、始末書や補償を求められます。

IDカードは、多くの会社で入退出のセキュリティ鍵として使われているので、退職日の最後に返却し、代わりに貸与されるゲストカードでその後を過ごすか、責任者にゲートを開けてもらって退社することになります。

退職時に会社に返却するもの5:書類や備品

業務関連の書類は、会社の資産の一部です。すべてを破棄するのではなく、引継ぎ資料の一部として、後任者に渡します。書類や備品は一覧化しておき、引き継ぐものと返却するもの、破棄するものを、事前に後任者や上司と確認しておくと確実です。

自己判断で重要な書類を破棄してしまうようなことがないように、慎重に扱いましょう。

会社を辞める前後に受け取るもの5つ

会社を辞めた後に行うべき各種手続きで必要になる書類などは、会社を辞める日に受け取ることができるものと、一定期間が経過していから受け取ることができるものに分かれます。

それぞれ、受け取り可能な時期と、その書類などを必要とする手続きなどを理解し、会社を辞める前にまとめておきましょう。会社を辞めてから受け取るものについては、待たなければいけない目安を確認しておき、遅れているようなら催促する必要もあります。

会社を辞める前後に受け取るもの1:雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入した際に発行される証明書なので、多くの場合は会社が管理しており、被保険者である従業員が会社を辞める際に受け取るものです。

転職の際には、入社手続きをする際に雇用保険被保険者証の提出を求められます。転職先でもこの雇用保険は引き継がれるためです。

雇用保険は、就職している誰もが加入できるわけではなく、一定の適用要件を満たしている必要があります。

会社を辞める前後に受け取るもの2:年金手帳

就職した際に、年金手帳を会社に預けていた場合は、会社を辞める際に会社から返却してもらう必要があります。

ただし、平成30年3月5日以降はマイナンバーで公的年金の手続きが可能になったことから、基礎年金番号の記載のある年金手帳は、原則不要となっています。そのため、会社に年金手帳を提出しなくてもマイナンバーで済まされる場合もあります。

会社を辞める前後に受け取るもの3:源泉徴収票

源泉徴収票は、退職後1カ月以内に交付することが、所得税法で決められています。会社を辞めてから1カ月経っても受け取れない場合は、前の会社に問い合わせた方がよいでしょう。

源泉徴収票は、転職の際に提出する必要があります。失業保険を受給する人も、年度末の納税申告の際には、申告書に添付する必要があります。きちんと会社から受け取れているかを確認しておきましょう。

第226条  
居住者に対し国内において第28条第1項(給与所得)に規定する給与等(第184条(源泉徴収を要しない給与等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる給与等を除く。以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した給与等について、その給与等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その年の翌年一月三十一日まで(年の中途において退職した居住者については、その退職の日以後一月以内)に、一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより当該税務署長の承認を受けた場合は、この限りでない。

会社を辞める前後に受け取るもの4:離職票

離職票は、失業保険の申請に必要になります。退職日の翌日から10日以内に会社が手続きすることが雇用保険法で決められているので、手元に届くまで少し時間がかかります。

しかし、離職票がないと失業保険の手続きができず、結果として失業保険を受け取れる時期が後ろにずれこんでしまうので、できる限り早く入手したい書類です。

会社を辞める前に離職票の必要有無を確認されるので、「必要」である旨を伝えておく必要があります。

第七条 事業主(徴収法第八条第一項又は第二項の規定により元請負人が事業主とされる場合にあつては、当該事業に係る労働者のうち元請負人が雇用する労働者以外の労働者については、当該労働者を雇用する下請負人。以下同じ。)は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する労働者に関し、当該事業主の行う適用事業(同条第一項又は第二項の規定により数次の請負によつて行われる事業が一の事業とみなされる場合にあつては、当該事業に係る労働者のうち元請負人が雇用する労働者以外の労働者については、当該請負に係るそれぞれの事業。以下同じ。)に係る被保険者となつたこと、当該事業主の行う適用事業に係る被保険者でなくなつたことその他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。当該事業主から徴収法第三十三条第一項の委託を受けて同項に規定する労働保険事務の一部として前段の届出に関する事務を処理する同条第三項に規定する労働保険事務組合(以下「労働保険事務組合」という。)についても、同様とする。

会社を辞める前後に受け取るもの5:退職証明票

退職証明票は、健康保険の切替手続きに必要になる書類です。健康保険の切替手続きとは、国民健康保険への加入や、家族の扶養に入るなどの手続きのことです。離職票とは違い、公的文書の扱いではありません。

退職証明票は、基本的に会社を辞める従業員からの希望により発行されます。会社を辞める前に、退職証明票の発行を依頼しておきましょう。

ただし、健康保険の切替手続きは離職票があれば退職証明票は不要になります。

会社を辞める際の手続きについて知り役立てよう!

会社を辞める際の手続きは、大きな会社であれば流れが確立されています。しかし、会社を辞める際に必要な手続きや提出物、辞めた後に必要となる手続きや書類を理解できていれば、辞めた後に、書類不備などで悩むこともなく、すべての手続きがスムーズに進められます。

たとえ今すぐ会社を辞める予定がないとしても、会社を辞める際の手続きについて理解し、在職中から書類や貸与品の扱いにも気を配っておきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次